外科治療について4

全身状態がコントロールされていない糖尿病や高血圧、6カ月以内の心筋梗塞の既往症、妊娠中、止血困難な状態など、観血的処置を行うことのリスクが高いケースでは、歯周外科治療の適応を慎重に判断する必要がある。全身状態がよくない場合には、出血を伴わない非観血的処置にとどめることもある。内科医と全身状態について相談し、コントロールされれば外科治療が可能となる場合もある。
通常1~2本の歯肉縁下の歯垢、歯石、汚染歯根面、不良肉芽組織の除去を目的とした歯周外科治療においては、頬側、舌・口蓋側の局所麻酔薬量を用いる。再生治療を行う場合は、歯周支持組織の喪失が大きく、骨欠損も深い状態にある。そのため,手術範囲はより広くなり,骨欠損内部の歯垢、歯石、汚染歯根面、不良肉芽組織を除去も必要となる。そして、局所麻酔が必要な範囲も広くなる。さらに再生治療では、手術部分の完全閉鎖が重要なことから、歯肉弁の完全閉鎖を可能にする骨膜減張切開が必要となる場合もあり、減張切開を行う範囲に応じた術前の麻酔が必要となる。また欠損底部が深くなり根尖に近接することも多いため、生活歯の場合は歯髄まで麻酔が奏効するように根尖付近にも麻酔範囲を設定する。
歯周外科時においては、術中に患者に痛みを全く感じさせないよう、術前に必要十分な量の局所麻酔を行い、確実に効果をあげることが重要である。術前にしっかり麻酔し、治療中に痛みを全く感じない状態で処置を行うと、術後疼痛が緩和されるという報告もある。
一方、確実な麻酔を意識するあまり、麻酔薬の注入が強くなっていないかを注意することも必要である。強く薬液を注入すると、歯周ポケット内に薬液が漏れたり、麻酔を効かせたくない周囲の結合組織に薬液が拡散してしまい、麻酔効果が減弱する可能性がある。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です